研究開発
光通信研究部
融合理工学府修了/2020年入社(技術系)
第3章
People
M.N.
研究開発
光通信研究部
融合理工学府修了/2020年入社(技術系)
※記事内容および社員の所属は取材当時のものです。
生まれ育った街には火力発電所や工場地帯があり、頻繁に光化学スモッグ注意報が発表されるなど環境問題を身近に感じる機会が多かったため、、クリーンエネルギーをはじめとする環境問題に興味を持つようになりました。大学の卒業研究では、水素と酸素の化学反応で電気エネルギーを生み出す燃料電池自動車の開発につながる、光触媒の高活性化に取り組んでいました。
就職活動では研究の経験を活かしたいと思い、化学メーカーや触媒系の企業を中心に見ていました。フジクラは幅広く事業を展開していて売上が安定していること、歴史が長く技術力に優れていることなど、たくさんの魅力がありましたが、特に社員のあたたかさに惹かれました。先輩社員と話せる懇親会では皆さんが優しく接してくれましたし、、リクルーター面談ではちょっとした疑問にも丁寧に分かりやすく答えてくれたので、不安を解消しながら働くイメージを膨らませて入社できました。
フジクラの主力製品である光ファイバの研究開発を行う部署で、より良いファイバを生み出すべく日々活動しています。中でも次世代ファイバとして注目されているマルチコアファイバの研究開発に携わっていて、主に測定技術や融着接続技術の確立を担当しています。マルチコアファイバは一本の光ファイバ内に複数のコアが存在するので、コア同士の正確な接続がより難しいうえ、各コアを伝搬する光同士が干渉しあう「クロストーク」という現象も生じるため、その大きさを正しく測定することも求められます。こうした課題解決に向けた研究は、マルチコアファイバで超高速な通信技術を実用化するために欠かせないものです。
印象的だったのは、2022年9月にスイスで開催された国際学会で研究発表を行ったことです。各コアを伝播する光同士が干渉するクロストークという現象に対し、より短時間で効率的に測定する新たな評価技術を確立して発表しました。世界に対してフジクラの技術力をアピールできたこと、そして会社の発展につながる仕事ができたことに、大きな達成感を味わえました。
より良い測定技術や融着接続技術を確立し、マルチコアファイバの実用化に貢献するのが目標です。通信容量が増大するマルチコアファイバが世の中に普及すると、より大容量な通信ができるようになり、私たちの暮らしはさらに便利になります。5年後、10年後の実用化を見据えて、より使いやすいものになるよう、測定や融着接続の観点から支えていきたいです。
そのためにも、多角的な視点からデータを解析できる力を磨きたいです。上司や先輩方はひらめき力に優れていて、一つの研究結果に対してさまざまな視点から仮説を立てています。そうすることで、課題に対して多角的なアプローチができるようになり、より良い開発につながるのだと思います。今後も、日々の研究で知識と経験を深めて、データを見る目を養いたいです。そして、自発的に課題を設定して研究を進め、学会で積極的に発表するのも目標です。会社と社会に貢献できるよう、これからも精進したいです。