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Company

VISION

今、社会はかつてないほどフジクラの技術を求めています。その存在価値をさらに高めていくために、フジクラは2023年度から新しい中期経営計画をスタートしました。フジクラの現在、そして未来を、技術開発を牽引する4人のメンバーが集まり語り合いました。

Y.Y.

新事業創生・研究開発部門
戦略センター長
2018年入社

研究開発および新事業創出における戦略の立案・推進など、フジクラの技術基盤の構築を担う。

T.B.

取締役CTO 兼
新事業創生・研究開発部門長
1987年入社

取締役CTOとして、フジクラの技術開発および新事業創生のトップに立つ。

Y.S.

情報通信事業部門
光ケーブル事業部
光ケーブル開発部 主査
2010年入社

フジクラの主力事業である光事業ケーブル事業部において商品開発チームのリーダーを務める。

T.I.

情報通信事業部門
光コンポーネント事業部
光機器開発部長
2000年入社

光部品および応用製品の研究開発・事業化を、事業部門のリーダーとして牽引する。

近い未来、フジクラの技術は
さらに存在感を
高めていくはずだ。

TOPIC 01 “つなぐ”テクノロジーで、
新しい価値を創造する

T.B.

フジクラは、2023年度から新しい中期経営計画をスタートさせました。最近のフジクラを取り巻く社会の動きについて、皆さんはどう感じていますか?

T.I.

そうですね。やはり大きな変化といえるのはコロナ禍だと思います。たとえばリモートワークの広がりなど、情報インフラの重要性が改めて認識されたのではないでしょうか。

Y.S.

そのような変化の中でクローズアップされてきた動きがDX(デジタル・トランスフォーメーション)であり、GX(グリーン・トランスフォーメーション)(※1)だと感じています。新しい中期経営計画の取り組みの中でも、私はDXやGXに関連した開発に注目していきたいですね。

T.B.

Y.Y.さんは、中期経営計画における研究開発関連の取りまとめで中心的な役割を担いましたね。

Y.Y.

ええ。研究開発の戦略を提案するにあたっては、中長期的な目線で社会の動きを考えました。そんな中で私が特に注目したキーワードが2つあります。
まず1つは「超低消費電力」。Y.S.さんが言うようにGXが大きな社会課題となっている今、情報インフラにおいても省エネ化が欠かせないテーマになります。そうなると、電気から、高効率の光へという情報ネットワークの変換がさらに広がってくる。また、同じようにエネルギーの伝送についても、光技術が注目されてくるはずです。
そして、もう1つのキーワードは「自律化」です。これは自動車の自動運転が良い例で、さまざまなモノがインテリジェントな頭脳を持つことになると思います。

T.B.

今、3人が話した社会の動きは、実はフジクラの技術と非常に高い親和性がありますよね。光ファイバをはじめとする光技術は、フジクラが先駆的に取り組んできた分野であり、情報ネットワークばかりでなく、エネルギーの領域にも広がっていこうとしています。さらにエネルギーについては、高温超電導という夢のある技術も持っています。
このような社会の動きを見ると、私は、フジクラの技術にとって強い追い風が吹いているように思うのです。これらの技術にいち早く取り組んできた先人たちの先見性は素晴らしいですし、それを受け継ぐ技術者の責任として、しっかり育てていかなければならないと考えています。
※1:脱炭素社会に向けた取り組み

TOPIC 02 社会を支える、3つの核心的事業領域におけるチャレンジ

T.B.

新しい中期経営計画では、「情報インフラ」「情報ストレージ」「情報端末」の3つを核心的事業領域として掲げています。
「情報インフラ」については、日本ではすでに光ファイバがネットワークの主役となっていますが、世界に目を向けるとフジクラがチャレンジすべきことはまだたくさんありますよね。

Y.S.

ええ。これは意外に知られていないのですが、光ファイバケーブルを布設する手法や設備の違いなど、国や地域それぞれの事情に合わせてネットワークを構築していかなければなりません。このようなニーズに応じて、フジクラでは世界市場向けの光ファイバを供給するとともに、それにマッチした高性能な光部品を開発しています。今後のビジネスでは、これらを組み合わせたソリューション提案が、ますます重要になってくると思います。

T.B.

「情報ストレージ」の領域では、ユニークな電子部品技術の展開に加えて、膨大な情報をストレージするデータセンタが重要なターゲットになります。

T.I.

光ファイバというと、基幹ネットワークというイメージがあるかもしれませんが、最近ではデータセンタといった施設内でも超高密度な光配線技術の導入が進んでいます。高速で大容量の情報をやり取りするためには、従来のような電気技術では限界があります。また、データセンタの構築においても消費電力の低減が必須のテーマとなっています。この問題を解決するためにも光技術のニーズはさらに高まっていくと思います。

T.B.

さらに先を考えると、光電融合(※2)などコンピュータの中にも光技術が入り込んでいくかもしれませんね。
3つ目の領域である「情報端末」では、フジクラは自動化が進む次世代の自動車も「端末」と考えています。先ほどY.Y.さんは「自律化」というキーワードを挙げましたね?

Y.Y.

ええ。自動車の「自律化」を進めていくためには、やはり高速大容量の通信が必要となります。そこで鍵を握るのが、フジクラが開発を進めている車載用の光配線技術。また、自動車分野では、センサなどの電子部品もこれからの開発テーマとなります。

T.B.

中期経営計画では、これら3つの核心的事業領域のさらに先を見据えた研究開発にも力を入れていきます。その1つが高温超電導です。フジクラが開発する高温超電導線材の性能は世界でもトップクラス。核融合発電(※3)において世界的に評価の高い欧米のスタートアップ企業からも注目されています。

Y.Y.

光による加工装置などに応用されるファイバレーザも先進的なテーマの1つでしょう。フジクラは、光ファイバと半導体レーザという、この分野で必要な2つの技術を併せ持つ、世界でも数少ない企業です。
※2:光回路と電気回路を融合させる技術。高速化や低消費電力化が可能になる。
※3:超電導は、核融合炉の部品としても使用される。高温超電導を用いることで、運転のために必要なエネルギー消費の節減、またより強い磁場を発生させ、炉の小型化を実現できることから、安定的なエネルギー供給やコスト削減が可能になる。

TOPIC 03 未来へと、フジクラの組織を
いかに変革していくべきか?

T.I.

これからフジクラの技術をトータルにソリューションとして社会に提供していくためには、事業部などの枠組みを超えた横断的な取り組みがいっそう重要になると思います。

Y.S.

経営理念のコアバリューで掲げている「共創」ですね。さらに私は、柔軟さも大切だと考えています。最近、フジクラでは、経営層と第一線のエンジニアが意見を交換できる仕組みができつつあります。あれはいいなと思いますね。

T.B.

連携ということでは、事業部と研究部門との関係も重要になりますね。それらの連携を円滑にしていくために、事業と研究、生産技術の3部門のメンバーたちが意見をぶつけ合う全社的な会議を立ち上げました。

Y.Y.

先端領域の技術に挑んでいくためには、外部の企業や国内外のアカデミアとのオープンな協業も積極的に推し進めていく必要がありますね。

Y.S.

そうなれば、フジクラの組織も人財もさらに多様になっていくのではないでしょうか。この「多様化」も、これからのフジクラを語るための大切な言葉だと思っています。

T.I.

経営理念のコアバリューにはもう1つ、「変革」というキーワードがあります。これからフジクラに入社してくる若い人たちが変革にチャレンジすることを楽しめるようなオープンな組織をつくっていきたいですよね。

Y.Y.

ところで学生の皆さんに聞くと、フジクラはどちらかというと安定的なイメージがあるようです。安定しているということは、それだけ思い切ってチャレンジできる土台のある会社だと私は思うのです。社員と会社がお互いに刺激し合えるような、Win-Winの関係を目指していきたいですね。

TOPIC 04 フジクラの夢を託す、
若いエンジニアたちのために

T.B.

社会に深く関わり貢献していくということでは、フジクラはお客さまにも恵まれた会社だと思っています。社会インフラを支える大企業から、データセンタなどを展開する先進企業、さらには核融合炉の実現に挑むようなスタートアップ企業まで、社会の発展を担う多様な企業を顧客としている。そのパートナーシップの中で、絶えず刺激を受けながらプロフェッショナルとして成長していくことができるのです。これは私自身がフジクラでずっと実感してきたことですが、若いエンジニアにとって刺激的な環境だと思います。

Y.Y.

研究開発部門の責任者としては、そんなエンジニアたちの心に、ものづくりの灯りをともしてあげたいですね。一人ひとりが持てる力をフルに発揮できる環境を整えていこうと考えています。
ところで、T.B.さんは、これからの若い人たちにどんなマインドを大切にしてほしいと思っていますか?

T.B.

ありきたりかもしれませんが、好奇心と、人の話をよく聞く姿勢、かつ情報を鵜呑みにするのではなく自分の頭でちゃんと考える力が大切だと思いますね。みんなはどうなんでしょう?

T.I.

そうですね。これもフジクラの特長の1つだと思うのですが、若いうちから海外のさまざまな人たちと一緒に仕事をするチャンスが数多くあります。そんなグローバルな視野を持った人にとっても魅力的な会社だと思います。

Y.S.

私が思い浮かべているのは、「フジクラでこんなチャレンジがしたい」という夢を抱いている人。その夢を実現していくための前向きな姿勢も大切です。そんな若い人たちが仲間に加わってくれたら嬉しいですね。

T.B.

この先、フジクラの技術は、ますます存在感を増していくはずです。5年後、10年後、フジクラは今以上に社会に貢献できる“よい”企業になっていると私は信じています。その未来を担う若い人たちに、フジクラの夢を託していきたいですね。

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